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ナチュラルコスメの用語辞典

キャリーオーバー

化粧品のエキス類にキャリーオーバーはつきもの

化粧品業界におけるキャリーオーバーとは、全成分表示に表記する義務のない成分のことです。

2001年から薬事法第61条により、化粧品の全成分表示が義務づけられました。しかし、キャリーオーバーに該当する場合は、全成分表示に表記しなくても良いことになっています。

参考サイト 東京都福祉保険局
www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/
iyaku/sonota/license/g_katahe/cosme/c_label

どんな場合がキャリーオーバー成分に当てはまるのかというと、まず、原料の栽培で残留してしまうケース。栽培に使用した農薬や化学肥料などが関係します。

有機栽培(オーガニック栽培)をしていたとしても、家畜の糞で作る有機肥料に薬品が残留することがあります。特別な飼育法をとらない限り、家畜は成長ホルモンや抗生物質など、何らかの薬を投与されているからです。落葉を利用した腐葉土を肥料としていても、落葉が除草剤など農薬の影響を受けていれば、それを肥料として育った植物から薬品が検出される可能性があります。

また、製造の工程で残留してしまうケースもあります。エキス類の抽出に使う溶剤などが関係します。ブチレングリコールなどの化学溶剤や、アルコールなどを抽出用溶剤として使うと、抽出したエキスに溶剤が混入します。

また、溶剤を使わない、蒸留法などで抽出を行った場合でも、原料由来のエタノールなどが混じってしまうことがあります。

以上の例は「本意ではないが、化学物質が混じって生じたキャリーオーバー」と言えるでしょう。しかし、意図的に化学物質を添加した結果のキャリーオーバーもあります。

キャリーオーバーという抜け穴?

キャリーオーバー成分とは?化粧品

化粧品原料を製造する会社が、原料の安定のために防腐剤などの化学物質を添加することがあります。この原料を使用して化粧品を作った場合、原料の添加物はキャリーオーバー扱いとなるので、全成分表示に表記されません。

順を追って詳しく説明すると、「化粧品メーカー」は「化粧品原料製造会社」から原料を購入して化粧品を作っています。「化粧品原料製造会社」で調達したいろいろな材料を、独自に配合して化粧品を作るわけですが、このときに配合した成分は、全成分表示に明記しなければなりません。

しかし、「化粧品原料製造会社」から購入した原材料にあらかじめ添加されていた成分については、キャリーオーバー扱いとなり、全成分表示に明記しなくてもよいことになっているのです。

「化粧品原料製造会社」から購入した原材料にパラベンが使われていても、「化粧品メーカー」が自社でパラベンを配合せず製造すれば、「パラベン無添加化粧品」として売ることができるという事です。

キャリーオーバー成分は少量なので、一般的にはあまり神経質になる必要はないと言われています。とはいえ、過敏症などで特定の物質を避けたい人にとっては気になるところ。しかし、知りたいと思っても、キャリーオーバー成分について公表している化粧品メーカーはまだ少数派です。

自然派化粧品、オーガニックコスメをうたった商品が氾濫する今だからこそ、公表義務のないキャリーオーバーについての対応は、その化粧品メーカーの商品作りへの姿勢を知る、ひとつの目安になると言えるのではないでしょうか。

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