角質を傷める過剰なお手入れをやめ、角質を本来の健康な状態に戻すことで肌トラブルを解決しよう、という発想の美容法です。
過剰なスキンケアはかえって肌を傷めるという発想は、佐伯チズさんの「洗わない美容法」や、タモリさんがTVで語ったことで広まった「タモリ式入浴法」などでもおなじみ。これからは、これら「引き算の美容法」が主流になっていくのかも?
角質とは、私たちが「お肌」と呼んで、その状態に一喜一憂している部分のことです。
皮膚の一番外側で、外界から体を守る砦となっている部分でもあります。
表皮細胞は、ターンオーバーによって肌の一番上に出てくるとき(角質層になるとき)に細胞の核が消失します。このとき、水分の消失防止と、外的刺激からの保護のために「細胞間脂質」を放出します。
「細胞間脂質」には、「セラミド」など保湿化粧品でおなじみの保湿成分がたくさん含まれています。 ターンオーバーが正常な状態なら、角質層は天然の潤い成分がきちんと分泌され、しっとり潤う仕組みになっているのです。
しかし、現代の女性の多くは、お手入れに熱心なあまり角質層を薄くしてしまう傾向にあります。
正常なターンオーバーより早く肌の表面に出て来た細胞には核が残ったまま。細胞間脂質も放出されません。
この事が皮膚を乾燥させ、毛穴を目立たせたり、敏感肌になったりと様々なトラブルの原因になっています。
まずは薄くなってしまった角質層を本来の状態に戻すこと。そのために、肌をこすらず、刺激を与えず、そっとしておくことがポイントになります。
はがすパッックやピーリング、ゴマージュなど、皮膚を削るようなお手入れは中止。鼻の角栓取りもガマン。
化粧品や日焼け止めなども見直す必要があります。強いクレンジング剤を使わなくても落ちるものがベスト。石けんで落ちる、ナチュラルコスメ系のコスメや日焼け止めがおすすめです。
「24hコスメ 」や「オンリーミネラル 」のファンデーションは、石けん洗顔で落とすことができるので、クレンジング剤が必要ありません。個人的にこの2つは、カバー力があるのに落としやすい、優秀なファンデだと思います。
SPF値の高い日焼け止めや、ウォータープルーフの日焼け止めは、肌に負担をかけるうえ、落ちにくいので強い洗顔料が必要になります。角質培養には、石けんで落ちる、ナチュラルコスメ系の日焼け止めが向いています。
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基礎化粧品の選び方にも注意が必要。「肌の奥に栄養を届ける」などとうたっている基礎化粧品は角質培養向きではありません。なぜなら、それらの化粧品には角質層を傷める成分が入っている可能性が高いから。
肌はそもそも、外界から異物が入り込まないようにできています。外から何か入れようとすれば、合成界面活性剤などで角質層を含む肌のバリアゾーンを壊さなければなりません。
「肌の奥に届ける」系の基礎化粧品の成分表示を調べると、強い合成界面活性剤が使われていることがほとんど。ですから、それらの基礎化粧品は、角質層を守ることが目的の角質培養には向いていないのです。「ふき取る」系の化粧水も、ほぼ同様のことが言えます。
角質培養には、合成界面活性剤の入っていない、ナチュラルコスメ系の基礎化粧品が安心です。様々な効能をうたったものより、シンプルな保湿化粧品がおすすめ。
短期的には、肌の調子が悪くなったように感じます。手触りがゴワゴワする、脂っぽくなる、など感想は肌質によって様々。
肌のターンオーバーは約28日。その事を考えても、角質培養を始めてから効果を実感するには、時間がかかります。あせらず、急がず、未来の美肌を楽しみにしながら気長に続けることが重要。道のりは長いと思って、気楽にいきましょう。