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ナチュラルコスメの用語辞典

界面活性剤とは

界面活性剤とは
界面活性剤の分子集合体

通常は混じることのない、水と油を混ぜ合わせるために使用されるのが「界面活性剤」です。

界面活性剤は水の中で、親水部(青丸)を外側、親油部(黄緑)を内側にした分子集合体を形成しています。ここに油などが溶け込み、水と油が均一に混じり合います。

界面活性剤には、せっけんやレシチン(リゾレシチン)などの「 天然界面活性剤 」と、科学的に合成される「合成界面活性剤」があります。

合成界面活性剤は、大量生産ができるので安く、さらに日持ちもするので製造者側にとって、大変便利です。化学構造をちょっと変えることで、強さや特性の違う、様々なバリエーションを作ることもできます。そのため、何千種類もの合成界面活性剤が作られ、洗剤や化粧品などに利用されています。

合成界面活性剤の作用

合成界面活性剤は油分を落とす力が強すぎ、汚れを取り去るだけでなく、肌に必要な皮脂も落としてしまいます。さらには角質細胞や顆粒細胞など、脂とタンパク質で構成されている、肌の「バリアゾーン」まで傷めてしまいます。(バリアゾーンとは?)バリアゾーンが傷ついた肌は、潤いが保てず乾燥し、外部からの刺激に弱くなります。

クリームなど、顔に残す化粧品に合成界面活性剤が使われていると、傷ついたバリアゾーンから、合成界面活性剤そのものや化粧品に配合されている化学物質が体内に入り込みやすくなります。

それらの中には、毒性を指摘されている成分もあります。肌から浸透した成分が肝臓などに溜まり、疾患の原因になるという説もあります。

化粧品成分を肌の奥に浸透させる、という考え方もあるようです。しかし肌は排泄器官であって、消化吸収器官ではありません。日常的にバリアゾーンを傷めてまで化粧品成分を浸透させることが、本当に有効なのか、皮膚科の医師などから疑問の声が上がっています。

石油系の合成界面活性剤は使用していません、なら安心?

合成界面活性剤は、石油のほか、植物など天然の原料からも作られています。ですので、合成界面活性剤を大量に使用していても「すべて天然由来の成分です」と表示することができます。

天然原料だと安心というイメージがあります。しかし、合成界面活性剤の場合、天然原料から作ったからといって、石油由来のより安全ということはありません。言葉のトリックのようなコピーに惑わされないよう、表示成分を確認することが大事です。

合成界面活性剤と、どうつき合うか

体のこと、環境のことを考えれば、合成界面活性剤を使わないことが一番です。しかし、完全に避けて生活しようとすると、使い勝手の良い、安価で、どこでも手に入る商品は、ほとんど使えないという状態になります。

安全な商品を使うためには、使われている成分を見極め、毒性の少ない商品を選ぶ知識と、少々の不便に対するガマンが必要になります。

合成界面活性剤は毒性の強い物から比較的安全なものまで、何千種類もあります。また、配合濃度によっても危険性が違ってきます。合成界面活性剤を全面否定するより、自分が納得できるルールを考えて、上手につき合うのが現実的であると言えます。

アンチエイジングの鬼

著名な美容ブロガー、勝田さんの本によると、ひとつの目安として『化粧水は0.1%まで、乳液やクリームは1種類なら3%まで。2、3種類なら2%まで。クリームファンデーションは1%まで。クレンジングや洗顔はできれば使わないのが望ましい』という意見が紹介されています。
出典:『エイジレス魔女の作り方』勝田小百合/筑摩書房

ちなみに、私はこんなルールで合成界面活性剤とつき合っています。
●髪の手入れは、 石けんシャンプー とクエン酸100%のパウダーリンス。合成界面活性剤入りのシャンプー、リンスは使いません。

●肌の手入れは、せっけん洗顔したあとローズウォーターをスプレー。そしてホホバオイルなどの油をうすく塗ります。水だけ、油だけの商品は界面活性剤いらず。とっても単純な話で、本来混ざらない水と油を混ぜ、クリームやゲルにするために添加物を入れるのですから、水と油を別々に使うなら界面活性剤も合成ポリマーも必要ないのです。

●職業柄ほとんど人と会わずに家にこもっているので、メイクはしません。外出時にはメイクをしますが、ファンデーションは使わず、石けんで落とせる日焼け止めを塗るだけ。あとは、信頼できる ナチュラルコスメ メーカーの化粧品を使ってポイントメイクをします。落とすときは、オイルをなじませたコットンでポイントメイクをふきとってから洗顔用石けんで洗います。

書き出してみると、すごくストイックに暮らしているようですが、そんなことはありません。パーティや結婚式に出席するときなど、しっかりメイクしてもらうこともあります。そんなときは使用成分は気にしません。ただ、いつも使っている石鹸ではメイクを落とせないので、コンビニで1回使い切りのメイク落としを買って落とします。これも、その日のメイクを落とすだけなので、あまり成分にこだわりません。

旅行先や美容室で髪を洗うときも成分は気にしません。普段、石けんシャンプーを使っていて、たまに合成界面活性剤のシャンプーで洗うと、もう、びっくりするくらい髪がツヤツヤのサラサラになります。合成ポリマーや柔軟剤の威力は凄い!体に悪いと知りつつも止められない、まさに悪魔的な魅力があり、せっけんシャンプーに変えられない人の気持ちもよく分かります。

とはいえ、せっけんシャンプー歴20年の私の実感としては、普段はせっけんシャンプーで、キメの日に合成界面活性剤シャンプーというのがおすすめ。年を重ねるほど、合成界面活性剤シャンプーだけを使い続けた人との差がはっきり出ます。

つまり、私のルールは「日常的に使うものは選んで、めったに使わないものはこだわらず」です。私の生活と体質には合っていますが、万人向けではないと思います。

肌も髪も丈夫な人は、もっとおおらかなルールでも大丈夫でしょうし、肌が弱い人は1日だけでも刺激の強い商品を使うと調子を崩すかもしれません。

正解は1つではないので、自分の体と相談しながら「私にはこれが合う!」と思えるルールを見つけて下さい。

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