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ナチュラルコスメの成分辞典

酸化亜鉛

ナノ酸化亜鉛の安全性

白色の粉状をしており、高純度のものは透明になります。導電性を持つことから工業用として利用されています。また、収れん作用、保護作用、弱い防腐作用などがあり、医薬品としても利用されています。

化粧品としては、白色顔料として利用されてきました。同じく白色顔料の鉛白(昔はおしろいに使われていました。長期利用で鉛中毒を起こします)に比べ毒性が低いことが評価され、酸化チタンが登場するまでは、最もポピュラーな白色顔料として利用されてきました。(酸化チタンとは?詳細はこちら

顔料としてファンデーションなどに使われるほか、紫外線散乱効果を生かしてサンスクリーン剤に、抗菌性を生かしてデオドラント剤や消臭剤にと、さまざまな商品に使われています。

酸化亜鉛の危険性

酸化チタン程ではありませんが、光によって酸化反応を起こし、活性酸素を発生させることが知られています。(酸化チタンの酸化反応とは?詳細はコチラ)活性酸素は肌にダメージを与え、老化を促進させます。酸化亜鉛の表面をコーティングをすることで、酸化反応を抑える工夫をしている商品もあります。

また、細かな粉塵の吸入により、酸化亜鉛ヒュームと呼ばれる症状がおきる事が知られています。症状は、咳、胸の苦しさ、口の乾き、発熱などです。職業病疾患と言われるものなので、一般人が市販の商品を使用する程度では、酸化亜鉛ヒュームの心配はほとんどありません。

ナノテクノロジーと酸化亜鉛

ナノテクノロジーの登場で、様々な物質の新しい可能性が開けました。(ナノって?詳細はコチラ)コスメにおけるナノ粒子酸化亜鉛は、その代表的物質です。また、ナノ酸化亜鉛は安価なため、多くの製品に使われており、触れる機会が多いナノ粒子でもあります。

酸化亜鉛をナノサイズ(100ナノ以下)にすることで、より透明感のあるファンデーションや、UVカット効果が高く、使用感の良いサンスクリーン剤の開発が可能になりました。

しかし、新しい技術であるナノテクには、安全性の確立がされていないという問題点があります。(ナノ粒子の危険性の詳細はコチラ

酸化亜鉛の酸化力は、ナノ化するとさらに危険性が増します。酸化反応は物質の表面でおこるので、ナノ化して小さくなる事で表面積が増えると、酸化作用がより活性化するためです。

また、国立医薬品食品衛生研究所が行った、酸化亜鉛ナノ粒子をラットに使用する実験では、気管支の粘液細胞や、肺胞・気管支に異常を起こすことが確認されています。さらに、アメリカでは「酸化亜鉛ナノ粒子は皮膚表皮細胞のDNAを損傷する」といった研究結果も発表されています。

酸化亜鉛と、どうつき合うか

化粧品におけるナノ酸化亜鉛とのつき合い方についてですが、ナノ酸化亜鉛の抗菌性を利用した、スプレータイプのデオドラント剤消臭剤などは、吸い込んでしまう危険性が高いので避けるべきだと言えます。効果があってもっと安全な抗菌・消臭成分は、他にたくさんあります。

その他の化粧品について、安全度順につき合い方のコツを挙げると、以下のようになります。
1、酸化亜鉛入りの化粧品は使わない

2、酸化亜鉛入りの化粧品を使うなら、ノンナノ(100ナノ以上の大きさ)を選ぶ。コーティングされていればさらによいのですが、ノンナノでコーティングありの商品はごく少数です。

3、 ノンナノ でない、ナノ化(100ナノ以下)された酸化亜鉛入りの化粧品を使うなら、必ずコーティングされたものを選ぶ。

以上をふまえた上で、吸い込まないようにする、傷のある部分に塗らない、きちんと落とすなど、使用方法にも注意が必要です。

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